【妊娠初期】仕事を休みたい時の制度と上司への伝え方
妊娠初期(〜15週)

【妊娠初期】仕事を休みたい時の制度と上司への伝え方

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専門家監修
佐藤美紀
助産師・マタニティケア専門家

助産師歴18年。妊娠初期のつわりケアや生活指導を専門とし、延べ3,000人以上の妊婦をサポート。

妊娠が判明して嬉しい反面、「つわりがひどくて仕事に行けない」「いつ上司に報告すべき?」「休みすぎると評価に影響しないか…」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。実は、妊娠中の女性を守るための法制度は数多く整備されています。この記事では、妊娠初期に仕事を休む際に使える制度、上司への伝え方のテンプレート、そして経済的なサポートについて詳しく解説します。

妊娠初期に仕事がつらい主な理由

体調面の問題

妊娠初期(〜15週頃まで)は、ホルモンバランスの急激な変化により、さまざまな体調不良が起こりやすい時期です。

症状発生頻度仕事への影響
つわり(吐き気・嘔吐)約70〜80%通勤・デスクワーク中の吐き気、食事が取れない
強い眠気・倦怠感約60〜70%集中力低下、業務効率の著しいダウン
頭痛約30〜40%長時間のPC作業がつらい
めまい・立ちくらみ約20〜30%通勤中や立ち仕事で危険
頻尿約50〜60%会議中や業務中断が増える

精神面の問題

  • 流産への不安(妊娠初期の流産率は約15%)
  • 職場への罪悪感(「迷惑をかけている」という思い)
  • 将来のキャリアへの不安
  • 周囲にまだ言えない孤立感

妊娠初期に使える法的制度

1. 母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)

これは妊娠中の女性が最も知っておくべき制度です。医師から「勤務の制限が必要」と判断された場合、このカードを使うことで会社に対して措置を求めることができます。

項目内容
根拠法男女雇用機会均等法 第13条
発行者産婦人科の医師
費用診察代に含まれる(無料〜数百円)
記載内容症状、必要な措置(休業・時短・作業制限など)
会社の義務カードの内容に基づき適切な措置を講じなければならない

活用の流れ:

  1. 体調不良で医師を受診する
  2. 医師に「仕事に支障が出ている」ことを伝える
  3. 母健連絡カードに必要な措置を記載してもらう
  4. 会社(上司・人事部)にカードを提出する
  5. 会社は記載内容に基づいて勤務措置を実施する

2. 妊娠中の時間外労働・休日労働・深夜業の制限

労働基準法により、妊娠中の女性は以下を請求することができます。

  • 時間外労働(残業)の免除 … 請求すれば残業を断れる
  • 休日労働の免除 … 休日出勤を強制されない
  • 深夜業(22時〜5時)の免除 … 夜勤を断れる
  • 軽易業務への転換 … 重い物を持つ仕事などを変更してもらえる

これらは請求が必要ですので、まず上司や人事に申し出ましょう。

3. 妊婦健診のための通院時間の確保

会社は妊婦健診の通院のための時間を確保する義務があります(有給か無給かは会社の規定による)。

妊娠週数通院頻度の目安
〜23週4週間に1回
24〜35週2週間に1回
36週〜出産1週間に1回

上司への報告:伝え方テンプレート

報告のタイミング

一般的には安定期(16週以降)に報告する方が多いですが、以下の場合は早めの報告を検討しましょう。

  • つわりがひどく業務に支障が出ている
  • 力仕事や危険な業務がある
  • 出張・長距離移動が多い
  • すでに通院で休みが増えている

上司への報告テンプレート

対面で伝える場合:

「お忙しいところお時間いただきありがとうございます。ご報告がございます。実は現在妊娠○週で、出産予定日は○月○日です。現在つわりの症状があり、医師から(勤務時間の短縮/通勤緩和/自宅安静)の指示を受けています。ご迷惑をおかけしますが、業務の引き継ぎや調整についてご相談させていただけますでしょうか。」

メールで伝える場合:

「件名: 【ご報告】今後の勤務についてのご相談

○○部長

お疲れ様です。○○です。私事で恐縮ですが、ご報告させていただきたいことがございます。

現在妊娠○週目で、出産予定日は○月○日を予定しております。体調面では○○の症状があり、医師より○○のアドバイスを受けております。

つきましては、以下の点についてご相談のお時間をいただけますと幸いです。 ・今後の業務体制について ・必要な引き継ぎについて ・産休・育休の取得時期について

ご多忙中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。」

伝えるときのポイント

  • 事実を簡潔に伝える(感情的にならない)
  • 今後の働き方の提案を用意しておく
  • 母健連絡カードがあれば一緒に提出する
  • 人事部への連絡が必要な場合は自分からも行う

経済的サポート:使える制度まとめ

有給休暇の活用

妊娠初期のつわりなどで休む場合、まずは有給休暇を利用するのが一般的です。ただし、有給だけでは足りない場合は他の制度を検討しましょう。

傷病手当金

つわりが重く(妊娠悪阻など)連続して4日以上休む場合、健康保険の傷病手当金が利用できる可能性があります。

項目内容
支給条件連続3日間の待期期間後、4日目以降の休業
支給額標準報酬日額の約2/3
支給期間最長1年6ヶ月
申請方法医師の証明+会社の証明が必要
注意点有給休暇を使った日は対象外

出産手当金

産前42日(多胎の場合98日)〜産後56日の間、給与が支払われない場合に支給されます。

項目内容
支給額標準報酬日額の約2/3
対象期間産前42日〜産後56日
条件健康保険の被保険者であること

その他の支援制度

  • 妊婦医療費助成 … 自治体により妊婦健診の費用を助成(14回分の補助券)
  • 出産育児一時金 … 出産時に50万円が支給
  • 育児休業給付金 … 育休中に給与の67%(180日目以降50%)が支給

マタハラを受けたときの対処法

妊娠を報告したことで不利益な扱いを受けることは「マタニティハラスメント」として法律で禁止されています。

以下の行為はマタハラに該当する可能性があります:

  • 妊娠を理由とした解雇や雇い止め
  • 降格や不利益な配置転換
  • 「妊娠したなら辞めたら?」などの発言
  • 妊婦健診や通院のための休暇を認めない
  • 産休・育休の取得を妨害する

マタハラを受けた場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談しましょう。

まとめ:使える制度を正しく知って、安心してマタニティライフを

妊娠初期の体調不良は、我慢するものではありません。母健連絡カードや傷病手当金など、妊娠中の女性を守る制度はたくさん用意されています。「仕事を休みたい」と思うことに罪悪感を感じる必要はありません。お腹の赤ちゃんとご自身の体を最優先に、無理のない働き方を見つけましょう。


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よくある質問

Q つわりはいつまで続く?
A 個人差がありますが、多くの方は妊娠12〜16週頃に落ち着きます。ピークは8〜11週頃です。水分が取れないほど辛い場合は産婦人科に相談しましょう。
Q 妊娠初期に避けるべき食べ物は?
A 生肉・生魚(トキソプラズマ・リステリア菌のリスク)、アルコール、カフェインの過剰摂取(1日200mg以下に)、ナチュラルチーズに注意が必要です。
Q 妊娠初期の出血は大丈夫?
A 少量の出血は珍しくありませんが、量が多い場合や腹痛を伴う場合はすぐに産婦人科を受診してください。安静にして様子を見ることが基本です。

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